こんにちはりきやんです。
前回からの続きとなります。
実際にかかる費用
それでは必要最低限の備蓄でどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
想定する帰宅困難者の人数は最大人数で計算する必要があります。
病院で最も滞在者が多いのは平日の昼間です。
そこでわたしが働く病院の平日昼間で人数を計算しました。
病院の職員は正規雇用・非正規雇用問わず全員です。それに加えて外来患者さんもカウントします。
わたしが働く病院は300床程度の病院です。
計算したところ795人となりました。「関西広域帰宅困難者対策ガイドライン」gaidoraik.pdf (kouiki-kansai.jp)では予備に10%上乗せするよう記載されています。これは予定外の来訪者などが想定されているようです。
なので795人×110%で875人となりました。
人数は出ましたので次は備蓄品です。必要最低限の備蓄品とします。
- 簡易トイレ:1人5回/日×3日分(69.9円/回)
- 水:1人3リットル/日×3日分(190円/ℓ)
- 食事:1人3食/日×3日分(256円/食)
- アルミシート:1人1枚(184円/枚)
価格も考慮しつつ厳選まではいきませんが選んでみました。
備蓄食はアルファ米で味があるものを選んでいます。画像は野菜ピラフですが、他の種類もあるので数種類選ぶ想定です。
あとは防災用の毛布を選ぼうとしましたが、価格がとても高価なので安価なアルミシートを選びました。とりあえず3日間を耐え抜けば支援の物品が届くのではという想定です。
価格は計算しやすく単価に直します。実際に購入するときはまとまった数となるので、人数分ピッタリは難しそうです。
総額は4,690,371円
推奨される必要備蓄量の目安として、最大人数×3日分に予備10%を加えます。
細かい計算式は省きますが、総額約470万円となりました。
これに加えて備蓄品の置き場所が必要です。
「東京都帰宅困難者対策ハンドブック」202008.pdf (tokyo.lg.jp)では、100人×3日分の飲料水・食料・毛布は高さ1mに積み上げた場合の床面積は3㎡程度になると記載されています。
当院での必要人数は900人弱の備蓄品が必要ですので、3㎡×9で=27㎡となります。
これは結構な面積が必要となりますが、備蓄品は分散させて備蓄しておくことが推奨されていますで、病院全体で置き場所を検討すれば不可能ではないと考えます。
金額も約470万円と決して安くはありませんが、備蓄品の管理という面でもハードルは高くなります。
まとめ
病院の備蓄品について考えてみましたが、金銭的にも保管場所的にも簡単に決済できるものではなさそうです。
他の病院の取り組みもインターネットで調べましたが、具体的なものは見つけることができませんでした。
帰宅困難者対策は努力義務で強制ではありませんが、いざ災害が起きた時に何も対策を行っていなかった場合に人命に関わる事態が発生すれば訴訟のリスクは高まると考えます。
訴訟のリスクがあるからではありませんが、従業員が安心・安全に業務を行えてこその患者さんの安心・安全があると思いますので、ぜひ病院として対策を急いでほしいところです。
それではまた(^^)/